従業員の採用に関する注意点(従業員の採用に関して気を付けること)

投稿日:2024年11月26日

1 はじめに

 少子高齢化の進展により、労働世代の人口減少に歯止めがかかりません。様々な業界において、人材が不足し、採用難に頭を悩ませている事業主の方も多いと思います。採用難の時代ではありますが、誰でも彼でも採用する訳にはいきません。会社を支えてくれる人材を採用できるように心掛けるべきですし、採用に伴うトラブルが生じないように気を配る必要があります。

2 従業員の採用に関して気を付けること

(1)人材紹介会社

 採用難の世相を反映しているのでしょうか、人材紹介会社を利用する会社が増えています。また、数多くの人材紹介会社があり、テレビのCMやインターネット広告で見ない日はないくらいです。

 会社に適した人材が簡単に見つからないからこそ、人材紹介会社を利用してよい人材を採用したいと思うのも当然ですが、人材紹介会社を利用し、一定の費用を投下して採用をするからには、失敗がないように、慎重に採用を行いたいものです。

 人材紹介会社には、希望する人材について、一定の条件を伝えることができますが、条件を伝えたとしても、会社が求めている能力・経験・実績を有する人材を採用できるとは限りません。また、一定の経験と能力などを有していたとしても、その人材が、職場にフィットするかどうか、実際に働いてもらうまで分かりませんし、折角採用しても早期に退職してしまうかもしれません。さらに、人材紹介会社の紹介を受けて採用したところ、人材紹介会社から聞いていた職務経歴や実績と違ったということもあり得ます。

 採用した人材が早期に離職してしまったり、採用した人材の技能や経験が思いのほか不足していたり、職務経歴等に若干の齟齬があったとしても、人材紹介会社に対して一定の基準で報酬を支払う必要があります。

 人材の採用及び採用後の育成の責任を負うのは、雇った事業主ですから、人材紹介会社からの情報を鵜呑みにすることは望ましくはありません。会社においても十分な調査を行い、疑問点や不明点があれば確認し、時間をかけて面接を行い、試用期間も設けたうえで、その職場に合った人材かどうか、活躍してくれるかどうかを見極める必要があります。

(2)無料求人広告業者

 また、最近、無料求人広告業者とのトラブルも増えています。皆様も、電話やFAXで、求人広告を無料で出しませんかという勧誘を受けたことはないでしょうか。

 勧誘を受けて、無料だからと思って、申込みのFAXを送ってしまったところ、実際は、最初の数週間は無料ですが、継続すると有料になると記載されており、いつのまにか数週間が経過し、解約をしないままに広告掲載料を請求されてしまうケースがあります。

 無料求人広告の勧誘をしてくる業者には、様々なものがありますので、本当に無料かどうか、自動継続の条件になっていないか注意する必要がありますし、そもそも無料求人広告業者に依頼する必要があるかどうかから検討する必要があると思います。

(3)リファラル採用

 人材採用にはコストがかかるということで、現在働いている従業員の友人や知人を紹介してもらい、採用するというリファラル採用が見直されています。

 実際に会社で働いている従業員は、この職場がどんな雰囲気の職場で、どんな人がこの職場に合うのか、どのような仕事をしており、どのような能力や経験が必要なのかを知っているはずですので、この職場に合いそうな人を見つけることができます。

 また、現在働いている従業員から声をかけてもらえば、この職場に興味を持って、面接に来てくれる可能性が高まります。

 ただし、従業員からの紹介だからと言って、採用基準を甘くすべきではありません。面接に来た人が、この職場が求める人材かどうか、職場に合いそうかどうかを見極めたうえで、採用する必要があるのは当然です。